【楽しい運動による健康づくり 後編】

 前回、楽しい運動の極意は、①運動に対する挑戦意欲がわくこと、②爽快感が得られること、③効果を実感できることであると伝えました。

①挑戦意欲について
挑戦することの先には達成感という「ご褒美」があります。そこで、運動をおこなう前に達成感が得られやすい環境を整えておけばよいのです。

例えばウォーキングを継続したい人であれば、スマートフォンのアプリなどを活用して東京~大阪間の距離(約550 km)を3か月(90日)で歩ききるという目標(一日に1万歩≒6 km歩く)を設定します。ここまでが挑戦になります。そして、歩いた距離を地図上に書き込むことで毎日少しずつ大阪に近づいていることを視覚的に確認できるようにします。これにより、日々達成感(ご褒美)が得られるようになるのです。

②爽快感について
心理学者のチクセントミハイが提唱する「フロー状態」を活用しましょう。フロー状態とは「夢中になりひたすら没頭している様子」のことです。テニスやボーリング、ゴルフは技術的難易度を調節しやすいスポーツであるために、中高年者に人気が高い(≒爽快感を得やすい)と言われています。

③効果の実感について
 運動の効果を実感できるようになるためには数か月かかることが多いです。そこで、まずは①挑戦意欲と②爽快感が得られるような運動を行いましょう。そのことが継続につながります。継続した結果として効果を実感することができれば、更に運動を続けようというモティベーションが高まりますので、「運動の継続」から「運動習慣の定着」へとステージが進むことになります。