【介護予防はからだのメンテナンスから】

平均寿命まで生きることができたら良いのかというと、必ずしもそうとは言えません。
どんなに長生きしても、要介護状態となってしまうと、自分らしく元気に暮らすことが難しくなります。

そこで、元気なうちから自分の体力を維持もしくは向上する取り組み、すなわち、「からだのメンテナンス」が重要になります。

では、具体的にどのような体力をメンテナンスすればいいのでしょうか。

今までの先行研究では、歩行能力、バランス能力、下肢筋力など移動と関連する体力が介護予防と関連すると報告されています。

これに加えて、大藏研究室では手指巧緻性も介護予防に重要な体力であることを明らかにしました。

手指巧緻性は手の細かい動きをコントロールする能力であり、物を持ち運ぶ、料理をするなど、様々な日常生活動作に直結する体力です。

しかし、手指巧緻性は高齢期になると低下の速度が加速するので、日ごろから意識的に手を多く動かすことが重要です。

食事前に、絞った布巾で食卓を左から右へ、上から下へ拭き取ったり、庭で歩きながら片手でゴミを拾ってゴミの仕分けもおこなったり、片手でボタンをかけたり、はずしたりするなど、普段から意識して手を動かすよう心がけてみましょう。