マットスとは 1)

子どもからお年寄りまで、誰でも簡単に楽しめる“脳トレ”運動(スポーツ&エクササイズ)です。
マットスという名前は、ボールをマット(mat)にトス(toss)することに由来します。

1試技につき4つの重さの異なるボールをマットに投げて、落ちた場所に応じて得点化します。
1ゲーム内で5試技をおこない、合計得点を競います。ボールが落ちた場所によっては「役」というルールにより、一発逆転が可能です。
また、チームでおこなうことで、チームの合計得点を競う団体戦の楽しみも味わえます。

マットスの特徴 2)

シンプルなルール

誰でも簡単に覚えることができるので、すぐに実践することができます。

・プレイヤー同士のコミュニケーション

作戦を話し合ったり、励まし合ったりすることでコミュニケーションが促進され、人とのつながりが生まれやすくなります。

・脳機能の賦活

ボールの重さ、力の加減、投げ方によってボールの落ちる場所や転がり方が異なるため、「考える」「予測する」といった行為(脳機能賦活)を自然とおこなうことができます。プレイヤー自身が点数計算をおこなうことで、頭を使う良い機会となります。

・誰でも楽しめる

年齢、性別、体力、障がいの有無などに関わらず、あらゆるタイプの人が同じ場所でプレイできます。さらに、誰もが勝つチャンスがあります。

マットスに関する研究状況

大藏研究室のメンバーによる研究から、マットスに関わる効果・楽しさといった要素が科学的に検証されています。

脳と手指のはたらきの間には強い関連性があります。OBである阿部らの研究では、短時間の手指運動によって認知機能が一時的に向上したということが報告されています3。つまり、手指をしっかり動かすことは脳の若返りに貢献する可能性があります。

健常大学生を対象に行われた実験では、マットスの投動作が他の課題(投動作の素振りのみ、減算)に比べて酸素化ヘモグロビン量が高い値を示し、マットスは脳機能賦活を促すエクササイズである可能性が示唆されました4

また、健常高齢者を対象にマットスの実践の一過性効果を検討した太による研究では、高揚感の向上が認められました。このことから、マットスは楽しく続けやすいスポーツである可能性が考えられます。

理想的な健康づくりや介護予防のための運動として、マットスがより多くの人々に普及し、楽しまれることが期待されます。

参考文献

  1. 一般社団法人マットス協会 「マットスとは?」 https://mattoss.org/about 
  2. 一般社団法人マットス協会 「マットスの特徴」 https://mattoss.org/forte 
  3. Abe T, Fujii K, Hyodo k, Kitano N, Okura T. Effects of acute exercise in the sitting position on executive function evaluated by the Stroop task in healthy older adults. Journal of Physical Therapy Science. 2018; 30(4): 609–613. (https://doi-org.ezproxy.tulips.tsukuba.ac.jp/10.1589%2Fjpts.30.609)
  4. 登川愛. 脳アクティーべーション運動“Mattoss”実践中の脳血流量変化 -fNIRSを用いた検討-, 2018年度卒業論文. (https://okuralab.jp/achievement/mattoss/)
  5. 太旻烈. ニュースポーツ“MATTOSS”の実践が高齢者の認知機能および感情に与える一過性効果, 2021年度修士論文.