【認知症予防について】
今年5月、政府は認知症の患者数推計を公表し、2030年には認知症および軽度認知障害の患者数が推計1100万人を超え、高齢者の3人に1人に達すると見込んでいます。また、前回と比べ、認知症と軽度認知障害の合計には大きな変化はありませんが、内訳を見ると認知症が減り、軽度認知障害が増えています。
認知症はその名の通り、認知機能の低下から日常生活が困難になる状態のことです。そして、軽度認知障害は認知症の前段階といわれ、記憶力や注意力の低下などはあっても、生活に支障はない状態をいいます。
軽度認知障害の方の約半数が5年以内に認知症になるといわれていますが、正常な状態に回復する方も少なからずいます。このため、認知症予防には軽度認知障害の時点で対策を講じることが重要です。
下図は、年代別に見た認知症の危険因子と保護因子を示しています。高齢期では、うつ傾向や転倒、身体不活動、対人交流の減少といった老年症候群等因子は認知症の危険因子となります。一方、身体活動の向上や認知的な活動の実施、社会参加、対人交流の増加といった活動的なライフスタイルが推奨されています。