認知症は最もなりたくない病気の1位であり、その予防法の確立が急がれています。
今回はこれまでにあまり知られていない認知症のリスクとして、①難聴、➁視力低下、③高いコレステロール値、④外傷性脳損傷について説明したいと思います。
➀難聴
難聴(聴力が低下し、話し声などが聞き取りにくい状態)を長期間放置してしまうと認知症リスクは約2倍高くなります。その原因は聞こえないのに聞こうとするため、脳に強いな負担がかかるためと言われています。また、聴覚と関連する脳領域の活動が徐々に低下するため、その部位が萎縮してします。
⇒予防法として、適切な治療や補聴器の使用が有益です。
➁視力
目から入ってくる情報量は膨大です。しかし、よく見えないと脳に入ってくる情報量は非常に少なくなり、脳への刺激も極端に減ってしまいます。そのことで、認知機能の低下や認知症リスクの増加がもたらされると言われています。
⇒予防法として、定期的な検査と適切な治療により、目の状態を良好に維持することが重要です。
③悪玉(LDL)コレステロール
悪玉のLDLコレステロール値が高くなると、脳内のアミロイドベータ沈着(アルツハイマー型認知症の主な原因)が進展します。
⇒予防法として、食事管理と適切な運動習慣が有用です。
④外傷性脳損傷
転倒事故などにより頭を強く打つことによって生じる脳の損傷が認知症リスクになります。
⇒予防法として、バランス能力や筋力の向上を心がけましょう。
下図は認知症の予防や発症の遅延に繋がる実践すべき行動を表しています。